共和国を救え

例の本の制作野望もあって、新世紀の研究を進めています。
今回は機獣新世紀バトストのネタです。


さて西方大陸戦争以降の惑星Ziを見ると、最も損をしたのはヘリック共和国と言えるでしょう。
最終的に中央大陸の全てを失ったのだから、これはもう凄まじい損失です。
ガイロス帝国は一応、大被害を受けたとはいえ暗黒大陸の領土を維持している。
ネオゼネバス帝国は中央大陸を手に入れた。


開戦前。ここから……、



バトスト終了時。こうなった。

ただ一応、西方大陸は共和国支配下なのかな?
また東方大陸との太いパイプも築いた。得たものがないわけではない。
とはいえ、やはり中央大陸を失ったのは最悪と言えるでしょう。


では共和国が被害を被らなかった展開はありえたのか。
共和国が国土を維持し安泰と言える状態を作る道はあったのか。

これについて私は二度チャンスがあったと思いました。


優秀な政治家が持つ能力とは「戦争に勝つ策」ではなく「戦争を回避できる策」です。
戦争とは国家間の主張が話し合いで解決できない時に最終手段として武力をもって事を進めること。
むろん起こってしまえば勝つしかないが、戦争を回避しつつ自国に損を出さない(もっと言えば利を出す)のが優れた政治家であります。


さてガイロス帝国軍の戦略を見れば非常に分かりやすいのですが、短期決戦を望んでいました。
ジェノザウラー模擬戦あたりのストーリーを読めば以下のようにあります
-----
ガイロス帝国軍司令部は、すでに西方大陸戦争の先を見ていた。中央大陸、ヘリック共和国本土への侵攻作戦である。
40数年前の異変からの再建に力を注いできた共和国は、経済力、工業力とも帝国をはるかに上回る。
この力が戦争に向けられる前に、共和国の中枢を叩くことが、帝国の大戦略だ。
そのためには、敵本土においても戦いを一気に終結させうる新型ゾイドの開発が必要だったのだ。 

-----

ガイロス帝国というのは国力が非常に低い。なので普通は共和国に勝てるはずがない。
ですが「グランドカタストロフ」という特殊な状況が勝機を与えた。
彗星衝突で一時的に両軍とも戦力がゼロに近い状態にリセットされてしまった。
その瞬間において両国の軍事力の差はほぼなくなった。
それゆえ、ガイロス帝国はここに勝ちのシナリオを見いだした。

国家予算の6割を軍事費に回す。
この通常ではありえないほどの軍事優先政策を行い、西方大陸会戦前夜には軍事力で共和国を圧倒する力を得たわけであります。
「国力が低い帝国だが必死に軍事費を出して巨大な軍を築いた」
「国力が高い共和国だが軍事費を抑えたので規模で劣った」
という状況です。

こうした状況で西方大陸戦争は開戦した。
しかしガイロス帝国は安泰ではなかった。
現在は軍事力で圧倒している。そうはいってもやはり国力差は大きい。
無理をした帝国はあっぷあっぷ。対して共和国はまだそこ力を残している。そこで共和国が国力を活かす(戦時体制に切り替え増産等を猛烈な勢いで行う)よりも前に、短期決戦で勝利を得るシナリオを描いたわけであります。


さて一つ目のチャンスとは何か。
共和国の失敗は何だったかというと、あまりにも復興を優先しすぎたことと思います。

人道的見地から言えば素晴らしい政策ですが、悪く言えばあまりにも他国を見ないものであった。
「我々が人道的に素晴らしい政策をしているのだから、他国はそれに感動して非武装状態でも宣戦布告などするはずはない」というのはありえない。
国と国の付き合いというのは隙を見せれば容易に出し抜かれる。侵略され全てを失う。そういうものです。

まずもって行うべだったき道はガイロス帝国との正式な平和条約の締結。
相互不可侵の条約を交わし、それが確実に履行されるような策を採るべきだった。
つまり政治で開戦を回避という事です。

ガイロス帝国が交渉に応じない場合は、それならば仕方ないとして軍事力を少なくともガイロス帝国に開戦を躊躇させる程度に重視すれば良かった。
そうすれば開戦は回避できたでしょう。

ガイロス帝国が宣戦布告をしたのは「今なら勝てる」いや言い方を買えれば「今しか勝てない」と思ったからに他なりません。
戦争を仕掛ける側は、勝つ見込みがなければ絶対に開戦しない(そのシナリオの実現難度はともかくとして)。
共和国の失敗は「勝てる」と思わせてしまったことです。
人道も良いがある程度は現実を見て「敵に睨みをきかせる」「敵に開戦の決意をさせない」程度の軍事力は持つべきだった。その費用は出すべきだった。

まぁ、この事は賛否あるでしょう。復興を優先したからこそ救われた民も多かったでしょう。
グランドカタストロフという異常事態。それを受けて軍事より復興を優先したのは素晴らしい決断とも言える。

ただし二つ目のチャンスは失敗だと私は思います。
二つ目のチャンスとは何か。
これは西方大陸戦争終結直後です。

共和国軍は西方大陸戦争で勝った。だからここで終われば良かった。

西方大陸戦争後、共和国はガイロス帝国に停戦を求めた……のだが、これは無視された。
そこでルイーズ大統領は国民に次のような演説をしています。
----------
停戦勧告は無駄でした。我々には今、ふたつの道があります。ガイロス帝国に時間を与え、再び祖国が危機に見舞われる日をじっと待つか。
それとも敵本土に乗りこみ、戦争の元凶たる帝国摂政ギュンター・プロイツェンを討つかです。

----------

共和国の強みは何だ。先に言ったように国力です。
西方大陸戦争に勝利したのだから、そこからはもう軍事費をUPさせて中央大陸の防衛を固めれば良かった。
軍事力の意義の一つは抑止力である。
敵が手出しできない状況を作れば良かった。国力の高い共和国ならこれは可能だと思います。


ヘリック一族は武闘派。ゼネバスはもちろんヘリックもウルトラやキンゴジュ乗って戦いまくるし…。
プロイツェンも一級のゾイド乗りだし息子ヴォルフも自ら戦う。
ルイーズ大統領は一族の中では例外的に穏健派なイメージがありますが、隠しきれない武闘派の血が出ている気がするなぁ………。


ただ擁護すると西方大陸戦争は「古代技術」に由来する超技術が出た。ガイロス帝国はそれによる超ゾイドを多数投入した。明らかにこの分野で共和国を超えていた。
西方大陸からの撤退時には「謎の小ゾイド」を回収していったので、ここから更に技術を向上させるかもという思いもあったでしょう。
このまま放っておくと短期間のうちにデススティンガーよりもっとやっかいなゾイドを量産したりするかもしれない……という疑念が払拭できなかったのかもしれない。
だからこそ先手を打って本土を攻略してやろうという危険な賭けに出たのかなぁ…。

結果から言えばガイロス帝国本土に主力を送った共和国は、ガラ空きのところを狙われ陥落してしまった。
なので、失策だったという評価は否定し難いと思うのですが。


プロイツェンは西方大陸からの撤退時に、「共和国にこのような疑念を抱かせる」「そして暗黒大陸本土におびき寄せる」事も計算して行動していたのかな?
だとすれば恐るべき事だと思います。
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コメント

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No title

プロイツェンが摂政の地位を得た時点で、ガイロス帝国は中央大陸への侵攻に趨勢が向いてしまっていたのかも知れませんね。
ガイロス帝国……暗黒軍というべきか。
彼らはグランドカタストロフ以前も中央大陸への進行の機会を窺っていたはずです。
ということは、ガイロス帝国に穏健派がいたとしても歴史的に中央大陸を狙いたい勢力は、ガイロス帝国に深く根付いていたはずです。
プロイツェンは、そういった勢力を味方につけていた可能性がありますね。
自らの、ゼネバスの悲願を隠しながら、そうした勢力とも協力体制を築いていたのかも知れません。
そうすることで、ガイロスの世論を中央大陸への進行に傾けていた……というのは想像に難くないでしょう。
元々中央大陸に進行したかったガイロス帝国民、プロイツェンの配下ではなくとも中央大陸に帰りたいという悲願を抱いていた旧ゼネバス帝国民。
ガイロスの世論は常に戦争に傾いていたのかも知れません。

一方で、へリック共和国でルイーズ大統領が復興に注力していたのは無理からぬこととも思えます。
それは、何故ゼネバスが帝国を築き上げ旧ヘリック共和国と対立していたかに根差すように思うのです。
このため、彼女は元ゼネバス帝国民達と旧ヘリック共和国民を一つにすることに注力していたのだと考えます。
放っておけば内乱が起きかねず、共和国の主流派は旧ゼネバス帝国民を差別し、再び分裂の危機を招きかねない。
そういった事情から、どうしても復興に全力を傾けざるを得なかったのではないかなと考えるのです。
彼女も身分を隠していたとはいえ、元はゼネバスの娘。
弾圧されかねない旧ゼネバスの民衆を放っておける筈もなく、旧共和国側の民衆が対立することだけは絶対に避けたかったはず。
また、自らが大統領となることで、そうした民族間の争いを古いものとして葬り去りたかったのではないでしょうか。
そうすることで過去の悲劇を繰り返させずに国を一つにまとめるために。
その為に、軍備を優先してしまっては、国内事情としてとても敏感なことになりかねなかったのではないでしょうか。
そういうことが関係して、軍備をもっと推し進めることは叶わなかった。
そういう見方も出来るのではと考えました。
その結果として、軍備はそこまで整わなかったものの、高い国力を得るに至った。
そうも考えられます。

元々中央大陸侵攻への野望を抱き、旧ゼネバス帝国民を差別することで支配していたガイロス帝国。
過去の民族問題を平和的に解決しなければと常に内紛の危機を抱えていたヘリック共和国。
そう見ることはできないかと考えてみました。

No title

あれ、「最終的に中央大陸の全てを失った」というのは流石に語弊があるのでは・・・。
新世紀バトストは一度中央大陸から追い払われた共和国軍が、凱龍輝とゴジュラスギガの
新戦法を中核として軍を建て直し、領土を取り戻しに中央大陸へ侵攻して
ヘリックシティまでは取り戻して敵皇帝を捕らえた(と思える)展開で終わっています。
この書き方だと追い払われた時点でバトスト終了と読めてしまいますので、そこは
修正されたほうが良いのではないかなと思われます(^_^;)

No title

デスザウラー復活に始まりジェノザウラーやジェノブレイカーの恐怖、そしてデススティンガーの猛威を考えると停戦がダメなら徹底抗戦せざるを得ませんね・・・

とはいえプロイツェンは帝都までおびき寄せようとしていたとしたら物凄い策略家ですね
しかし万が一スムーズにデスザウラーが復活してたらどうなってたんでしょうね?
それこそウルトラがいるとはいえたった1体だし

No title

ルイーズ大統領のビジョンには旧ゼネバス兵の救出と融和が目標の一つであり、多分前大統領も同じだったゆえの政策だと思います

ベルリンの壁が壊された直後の経済混乱や架空戦記でネタにされる朝鮮半島統一時に南へ北から人が流れて南が飽和して不況になるなど国同士の統一は手をつないで終わりと言うわけでないと思います
前大戦は共通の敵(ガイロス)が居たことで共和国軍として行動しましたが、旧ゼネバスサイドでは自分達は義勇軍と認識していたのかもしれないです<結構多かった強行的な作戦不備はゼネバス側とへリック側の戦争目的の違いや不和が原因の一つだと思ってます

トライアングルダラスや航空ゾイドの制限化(HMMストームソーダーによると隕石の影響で磁気アレルギーがサラマンダーに出てる解説があります)で国交のラインが乱れまくった所為で把握が遅れたのだと思いました<外交の切り札の国力も上手く伝わる前に「勝って奪えば復興できる」にすり替えられたのだと思います

ギュンター家ってプロィツェンを養子にしたのって最終的には旧ゼネバス兵を丸め込んで皇帝を排して自分達が新皇帝になる気があったんじゃないかと思いました<本編の流れもプロィツェンだけでなくギュンター家全体の思惑による支援と同志の暗躍など

No title

西方大陸戦争後の共和国は攻めるか守るかの二択というよりは、攻めざるを得ない状況に追い込まれていたと考えます。
第一に、共和国は勝利したものの、帝国軍主力の大部分を取り逃しています。日増しに増強しつつあるとはいえ本土守備隊まで西方大陸につぎ込んだ共和国に大して、総兵力では帝国の優位は揺らいでいません。
もし西方大陸で帝国軍主力を撃滅できていたなら、帝国軍が再建されるよりも先に防備を固める、というビジョンも持てたはずですが、それは叶いませんでした。
第二に、帝国がウオディックとKFDでニクシ―基地を襲撃したこと。これで共和国は「帝国は海軍力を増強しており、量産型デススティンガーによる奇襲上陸作戦もありうる」と認識します。
停戦を蹴られた上、「防備を固める前に反撃を受ける可能性」が現実味を帯びてきました。それもかなり脅威度の高い戦力によって。
第三に、共和国が西方大陸を占領したこと。これによりエウロペ北部の長大な海岸線を警戒せねばならず、本土と別に守備隊を置く必要があります。また西方大陸は少国家が乱立するのみで、工業化もあまり進んでいないため策源地としては今一つ。守備隊の維持には本土からの補給を必要とします。また、占領を快く思わない勢力や元帝国派勢力による反乱が予想され、治安維持にも兵力を取られます。民主国家である共和国は、帝国と違って強権的な支配や弾圧には表立って出られないはずです。国際世論(があるのかはわかりませんが)的にもよろしくないでしょう。
戦争が長期化すれば「他国を占領していること」による負担が重くのしかかってきます。かといって西方大陸を放棄する訳にも行きません。
ついでに、戦争継続を決めた直後にアンダー海海戦で帝国艦隊の撃滅に失敗し、さらにトライアングルダラスの回廊の存在を知った結果、「直接本土上陸の脅威まで存在する」と思い込んだはずです。二大陸分の海岸線を守るだけの戦力は共和国とてすぐには準備できないでしょう。準備できたとして、上陸が予想される敵はデススティンガーの大群。

もはや敵本土に乗り込んで短期決戦を目指すほかない。そう認識したはずです。
守るとは「戦争の主導権を譲り渡す」ということ。やっとの思いで戦争の主導権を握った共和国軍に、それを手放す選択もできなかったと思います。
プロイツェンによって巧妙に「思い込まされた」とすれば、彼は恐るべき策謀家でありますね。

余談ながら共和国軍が守りを固めた場合どうなっていたか、で言えば、両軍主力激突の舞台が中央大陸になるだけである気がします(中途半端な守備隊が置かれた共和国本土に回廊を通って輸送された帝国軍主力が上陸し、共和国が西方大陸派遣軍を呼び戻す)。
そしてカラになった帝国本土でPK師団が反乱を起こし、両軍が共倒れになった中央大陸に鉄竜騎兵団共々乗り込むのでしょう…。

No title

>やまさん
プロイツェンが摂政になった時期なんかも推測していきたいですね。
ここから全ての歯車が会戦に向かっていったのだとは思います。

いかに地位があってもたった一人で出来ることではない……。
様々な派閥を冷静に観察・分析して味方に付けて、いつしか巨大勢力を得たのかもしれませんね。

ルイーズ大統領の復興優先、確かに放っておくと対立が起きる可能性が・・・・っていうのはありますね。なるほどなぁ・・・。
かつて「ヘリック王」の時代から、東西は対立しちゃっていましたもんね。
その轍を踏むまいと行動していた気はしますね。
ま・・・、「暗黒軍が来るぞー」と半ば脅して軍事力を強化しておけば大陸が一丸になるし外敵にも対抗できて一石二鳥だった気もしますが(笑
でもまぁ、それこそヘリック王と同じ轍を踏むものなので、やりたくなかったのかもしれませんね。

>Jスターさん
ご指摘ありがとうございます!
この時期のこと、もっと勉強していかねばなりません。

>ヒューイさん
放っておく事は怖すぎたんでしょうね。

プロイツェンは凄いですね。
よくもまぁあそこまで事を運んだものです。コントロールといったって限界はあるだろうし。
その行動の是非はともかく目的を果たしたという意味では凄いなと思います。

>デスペラードさん
なるほど。旧大戦時から旧ゼネバス出身の者と共和国出身の者との間で差があった。完全な一枚岩ではなかったというのもお面白い見解ですね。
この方面からも紐解いていきたいなあ…。

HMM設定は基本的に全く気にしないでおこうと思っているんですが、面白いと思うものは取り入れていきたいですね。
ただやっぱり「個」であり全体を見ない文が多い……。

>極光さん
たしかに主力を逃してるんですよねー…。
そこは大きかったかもしれませんね。

生産力の差を活かせばいずれ共和国が上回るでしょうが、それでも数年はかかるかも…。
そう考えると攻めたこともよく理解できます。

それにしてもよくやったな とも思いますが。
基本的に上陸は難しく防衛はやりやすい。これを考えると一大決断だったと思います。
ただ、仰るとおり量産型デススティンガーが与えた恐怖は巨大だったでしょうね。
これが上陸を決意させた理由かなと思いました。

プロイツェンは戦史を見れば見るほど凄いですねぇ…。
共和国が上陸をしなかった場合の手も打ってあったとすれば本当に天才的だと思いました。
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