エレファンダーの真価

ゾウさんの話題をまだまだ続けるゾウ。

エレファンダーと言えば何と言ってもその悲劇的な戦歴です。

ニクシー基地で初陣を迎えたエレファンダー。1:50()という絶望的戦力差にもかかわらず奮戦し、味方が撤退するまでなんと5時間も粘った。
エレファンダー部隊は壊滅したが、この時間で帝国軍は撤退を完了した。
戦術的敗北と引き換えに戦略的大勝利を得たのである……。


正確にはエレファンダー100機+他400機=500機の帝国防衛隊に対して共和国軍は第一波だけで5000機で攻略戦に挑んだ。
なのでエレファンダーだけで計算すれば戦力差1:50だが全ゾイドで言えば戦力差1:10である。


この戦いを少し考えます。
たしかに味方撤退の時間を稼ぐ盾としてエレファンダーを使ったのは最適と思います。
エレファンダーは耐久力が抜群に高い。

まず、Eシールドを持ちビーム砲をはじき返す。この時代の共和国軍はビーム砲主体なので極めて有効。


耳とファイタータイプの鼻先がシールドですね。


コマンダー仕様の耳もシールド。こちらは出力強化タイプだそうだ。

ファイタータイプの場合、鼻と耳で二重にシールドを張れる。これはすごい。
シールドライガーDCSの砲撃なんかでも軽く跳ね返しそう。
重ゾイドならではの大パワーを持つので、ライガー系と違って長時間のシールド展開も可能でしょう。

むろん実弾砲のゾイドも居た。これはEシールドでは防げない。
だが装甲も分厚く強固なので、実弾砲が来ようがこれにも耐えます。
ゴジュラスキャノンを食らえばアウトでしょうが…、ゴルドスの105mmキャノンくらいなら何とか耐えるんじゃないかな。

更にゴジュラスなどと同じで、本体自体が非常にタフであると思う。
対ビーム、対実弾、タフさ。三拍子揃った凄まじい堅牢さ。そんなわけで長時間耐えたのでしょう。

もう少し考えるとスカウタータイプという非常に優秀な電子戦仕様もある。

レーダーのサイズから考えて、能力はゲーター以上と思える。

スカウター仕様が敵を捕捉。コマンダー仕様(指揮官)に報告。
コマンダー仕様はファイターやノーマル仕様に砲撃を指示。
エレファンダーの砲はいずれも長身砲なので射程は長そうだ。大半の共和国軍の砲撃ゾイドよりも優れるでしょう。
すなわち、戦いの当初はアウトレンジで敵を精密に滅多撃ちにしたんじゃないかなぁ。

共和国軍は自らの射程に入るまでの間、激しい砲撃に耐える事しかできなかった。ここでまず大きく戦力を低下させたと想像します。


戦闘は数が多い方が勝つのは当然ですが、必ずしもそうでない場合もあって。

エレファンダーのニクシー基地での戦いは「ヴィレル・ボカージュの戦い」がモデルになってると思います。
これはノルマンディ上陸作戦から間もない時期に起こった戦いで、伝説の戦いとして次のように語られています。

ノルマンディ上陸作戦後、イギリス軍22戦車旅団(戦車60両)はドイツ軍の要所「カーン」を目指した。
上陸作戦成功後のイギリス軍は正直言って圧勝ムードでダレていた。
しかしそうなるのも無理ないほどに戦力は充実していた。

さて22戦車旅団はカーンを目指していたのだが……、ここに現れたのがドイツ軍が誇る超エース、ヴィットマン中尉である。
ヴィットマン隊はわずか5両の戦車の弱小部隊。

さて偵察に出たヴィットマンの車両は22戦車旅団を発見した。
戦力差は5:60。
いや現在は偵察で単独行動中なので1:60だ!
勝てるはずはない。
しかし次のような会話がされていた。

「やつら、もう勝ったつもりでいるようですな」
「そのようだな。では教育してやるとするか」

現在、敵はまだこちらに気付いていない。先制が可能。だがどれを狙う?
撃てばこちらの位置もバレるから、それは慎重に選ばねばならない。

ヴィットマンの車両は先頭と最後尾の敵を撃った。
これには大きな意味があった。間に居る58台の車両は進むことも引く事も出来なくなったのだ。
もがく敵部隊。
むろんそれでも砲弾は飛んでくる。何発かは被弾した。だがヴィットマンの車両は分厚い装甲を誇るティーガー戦車だった。
その防御力で耐え、いまだもがく敵部隊を尻目に好位置をとる。

砲を発射。動けない目標を外すわけはない。
そうこうしている内に味方の4両も現場に駆けつけ応援に入る。
こうして1:60の戦力差は覆り、22戦車旅団はまんまと教育されてしまったのである……。

しかし、こうした超絶的な善戦がありつつも、ドイツ防衛部隊全体で見れば劣勢であり徐々に追い込まれ敗戦に向かっていくのだった。


さて実際はこれはかなり誇張したもので、インターネットが発達した現在では正確な検証がされています。
22戦車旅団が負けたことはその通りなんですが、詳細はだいぶ違う。
実際にはここまでの戦力差ではなかったし、22戦車旅団もここまでボロ負けしたわけじゃなかった。
wikipediaには正確な推移が詳細に載っています。

戦場にロマンを求める者は多い……。
特に「エース」とかになると箔を付けて語りたがる者も多い。
伝聞で広まった結果、ずいぶんと誇張した内容で広まる。
戦場エピソードで同様の例は幾らでもあります。

先に書いたように現在は正確な検証がされていますが、エレファンダーが発売された2000年ごろだと誇張した説の方が有名で正しいと信じられていたと思う。
(その時代においては自分も信じていた)

戦力差1:50の状況。堅牢な戦車タイプゾイドで要所に迫り来る敵大部隊を迎撃し、その数からは考えられない見事な戦いをする。

というのはモデルになったんじゃないかなぁ。

戦場にロマンを求める者は多い……というのは気持ちはよく分かるなぁ。
ゾイドはフィクションなので、まぁ、あまり過度に美談とかロマンに走りすぎるとアレなんですが、適度にこんな話を入れていくのはとても良いと思います。


ところでニクシー基地防衛線において5時間も粘ったエレファンダーですが、地上部隊はともかく飛行ゾイドをも防いだのが凄い。
ストームソーダーを護衛に付けたプテラス爆撃隊。
これが上空からホエールキングに迫れば撤収作業は危うい。
それはAGの12連装ミサイルが活躍して防いだんじゃないだろうか。


こう考えるとエレファンダーはホントに凄いなあ。
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コメント

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No title

たしかに見事な防衛戦を演じたのですが、最新鋭のゾイドを逃げ場の無い戦いに投じたのはどうなんでしょう?
鹵獲されたり残骸を回収されかねないと思うのですが・・・・。
(この後、量産デススティンガーを繰り出してきたのでエレファンダーの技術が共和国に渡っても問題ないと踏んだのかもしれませんが)

エレファンダー最大の長所は生産性だと思う私

・象型の強力な馬力
・重戦闘機甲仕様としての重装甲・Eシールド・フレーム強度に裏打ちされたタフネス
・安価な仕様変更を容易とする、CASの雛型となった換装システム
・対ゲリラ掃討や攻城戦といった「数を揃えてナンボ」な作戦行動を前提に、限界ギリギリまで突き詰められたコストパフォーマンス(最重要)

これらのうちいくつか、それこそ3つくらいは持ってる機種は山のようにいます。
しかし、全て兼ね備えたのはエレファンダーしかいない。というか、このクラスの戦闘能力を持ちつつ、ここまでの生産性を叩き出せるのがエレファンダーしかいない、と言うべきです。

で、なぜエレファンダーの生産性に着目したかと言いますと。
ロ ー ル ア ウ ト ZAC2100 年。これ。

帝国「あとは押し込んで掃討するだけやでー」
共和国「デストロイヤー兵団で決着をつける!!」
帝国「ファッ!?」

ちょうどこの時期です。そんなてんやわんやな状況で、最新鋭の重機甲ゾイドを100機もニクシーに送りつけられる。それはつまり、後方ではもっと強力な生産体制が整えられていたということを意味します。
むしろ参謀本部ではトライアングルダラス突破を想定し帝国本土そのものを縦深陣地化、エレファンダー機甲部隊による積極打撃迎撃戦すら想定されていたかもしれない。少なくとも私ならやります。
だいたいいくら殿には最高戦力が不可欠と言ったって、最新鋭の重機甲型を捨て駒にするのは方々の責任問題になりえます。ならなかったということは、「多少捨て駒に使っても問題ない程度に供給体制が整っていた」ということです。少なくとも、捨て駒として100機投げてもペイ可能な増産は可能だったと。

結論。妄想やら状況証拠やら色々ミルフィーユしてますが、エレファンダーの生産性はガチ。ガチすぎてロールアウトが間に合ってたら共和国負けてたレベルでガチ。

No title

個人的にEシールドは共和国の得意技術(=守りを重視して損耗を抑える技術)だと思っているので、エレファンダーやバーサークフューラーやディロフォースのEシールド設定は好きでは無いんですよね。

…ということを差し引いても、強靱な体と強力な武器に身を固めたエレファンダーが素晴らしい機体であることは違いありません。ニクシー基地決死隊以外にバトストで活躍させなかったのは勿体ないことですね。

なお、自分としては「ヴィレル・ボカージュの戦い」がモデル、とはあんまり思えない気がします。この戦いは移動中もしくは休息中の敵大部隊を急襲したという意味で桶狭間の戦いに似た構図だと思うのですが、ニクシー基地攻防戦では「敵の半包囲を受けている=戦闘隊形展開済」なので、どちらかというと真田丸の戦いの構図に近い気がします。

①障害物や塹壕に隠れながら長い鼻先や背中の武器を効果的に使って敵に応戦、②共和国軍の突出点や隙を見つけたら猛然と突撃して打ち払い、③敵が反撃してきたら後退して再び次のチャンスを待つーーー自分のイメージはこんな感じです。高速ゾイドや中型以下のゾイドだと、①で火力不足、③で後退中の耐久力不足が問題になりそうなので、重量級ゾイドのエレファンダーの長所が生きたと思います。

No title

エレファンダーは本当にいいゾイドですよねえ。
その悲劇的な登場と戦果は、確かにバトルストーリーの読者に刻まれたことと思います。
特にファンブックでは乗っていたのがガイロスでも差別されているゼネバスの血筋の者だったとありますし。
そうして悲劇が乗算されていたのも、印象的です。

エレファンダーは、登場の来歴さえ特殊でなければ、レッドホーンの後継的な立ち位置にいるゾイドだと思います。
もう少し活躍している所がバトルストーリーで見たかったです。
換装もありますしね。

で、私としてはコトブキヤさんのプラモ化アンケートの度に名前を記入しているゾイドでもあります。

No title

最終的に重砲部隊の砲撃で仕留めたということは、ディバイソンの突撃もゴジュラスの牙も、エレファンダーには歯が立たなかったのでしょうか? 下手すればゴジュラスキャノンもある程度は耐える装甲を持っていたりして。
ところで、EシールドはガンダムのIフィールドみたいに実弾は不可能という設定はあったのでしょうか?

No title

本来の拠点強襲では運用された描写が無いですが、防衛戦や護衛では活躍してますね

多数の武装を搭載し、重装甲やEシールドなどの防御能力を考えると欠点があるとすれば高い後方支援(兵站や整備)が必要になると思えてきました
もし天敵がいるとすれば、ガンスナイパーの狙撃でしょうね
アニメでガンスナイパーがブレードライガーのキャノビーに当ててましたから、数機による連続時間差狙撃は恐怖だったでしょうし、キャノビーに拘らなくても背部の武器が大きいというのは強力な反面狙われやすいのが問題になります<AGミサイルポッドに当てて誘爆したらたまらないでしょうし

欠点を当てていきましたが逆に言えば、少ない弱点を突かない限りはゴジュラスやディバイソン、ブレードなど少数の強力な機体でしか勝てそうにないほど強力なゾイドだと思えました

No title

こいつ数値上ですが
装甲はコングやゴジュラス以上。
シールドはジェノの粒子砲を一時的に凌げる
ガンブラやブレードと同等。
つまり砲撃に対して恐ろしく頑強です。

当時の共和国の光線兵器では
正面突破はまず不可能です。

格闘力もライガーゼロやディバイソンと同等です。
当時の共和国軍でこれを超える格闘力を持ったゾイドは
ゴジュラス系、ブレード系、ウルトラくらいです。

意外なことに砲撃力こそサイクスと同等でレッドホーン以下。
長距離砲撃に関しては能力なしとの評価ですが
もうね、馬鹿みたいに強いんですよ本当は。

結局、一機ずつ重砲隊の集中砲火で潰されましたが
もっと恐ろしさが生かされたエピソードが欲しかったですね。


そういう意味では旧ゾイドはちょくちょくいい演出してましたよね。
アルメーヘンの橋争奪戦の時のコング部隊みたいな感じの脅威の書き方は新世紀ではちょっと少なかったかも。

No title

エレファンダーのバトルストーリーを読んで「かわいそうなぞう」を思い出しました(泣)供養の為に3個購入して3仕様を我が軍に配備しましたよ。

No title

同じ働きが他のゾイドにできたか?と言われるとエレファンダー以外なかなかいないと思います
コングやレッドホーン、ジェノが500体ずつだったとしても共和国の前に屈していたことでしょう
指揮能力もそなえ防御力もあり砲撃格闘能力も持ち合わせ電子戦も防空も行える
まさに傑作機なんですがニクシー基地での活躍だけってのはもったいないですねぇ・・・

アニメじゃフツーに強敵でしたけど

No title

確か、エレファンダーはゾイドマンモスので再現できなかった、足を持ち上げて歩く動作を実装したりと意欲的モデルだったと知って、それだけの思いが詰まったのに、悲劇のキャラなのはどうなのかとも思得てしまいますね。

後の帝国本土の戦いでもあまり目立てなかったのは実に残念です。

交換できるパーツがたくさんあったから、後のCACの実験機的側面もありそうだったのに、いまいち不遇なのは、意外とスリムな体型が影響してたりするのでしょうか?

No title

>No Nameさん
実際に鹵獲されて共和国側に編入されていますね。
これ、どこまでがプロイツェンの計画なのかなあ・・・。

>みょんさん
性能面は完璧。
もはや弱点はコスト化生産性しかない・・・と思いきや、そこもクリアしているんですよね。
そこも含めて完璧じゃないか……。
改めて完璧なゾイドですね。

ブラックライモスと戦隊を組ませて存分に活躍させたいですねえ。

>ネームレス Mk-II 量産型さん
Eシールドは共和国側のお家芸ですもんね。
まあ、これだけ登場から年月が経っているのでコピーされていてもおかしくはないんですが、誰でも彼でも装備するのはどうかなぁ…とは思っていました。あと便利すぎるのも。
ただエレファンダーは…重パワーがあるので割とEシールドの装備に違和感はない放火なーとも思います。

戦いのモデルは考えると面白いですね。
桶狭間の戦いとか、この時代の戦いもゾイドに応用すると凄く面白そう!
史実では最近否定されがちな「三段撃ち」なんかもゾイドに応用させると妄想膨らみますね。

>やまさん
いいゾイドですねえ。そしてまたこのバトストが良かった。
本来なら「レッドホーンが遂に更新された」になるはずだったんですよね。
トミー版は造りが若干大雑把なのでHMMとの相性は凄く良いと思います。
鼻のパーツ数が恐ろしいであろう事を除けば…。

>samonさん
格闘戦で挑めば同士討ちを避ける必要が出るため砲撃が使えなくなる。
それゆえ砲撃でしとめたということではないでしょうか。
Eシールドは電磁バリアという特性上実弾には効果がないと思うしユーザーの認識もそうであると思います。
ただアニメのみ例外で「人を受け止められる」位に万能でした。

>デスペラードさん
強襲でも防衛でも最高の能力を発揮する機体ですねえ。

天敵は仰るとおりスナイパー系かもしれませんね。
側面の大型排気口や腹部にあるブロック状の造形部分は比較的突破が容易に見えます。
しかもこの角度だとEシールドがない!
速度を生かして側面に回ってライフルを見舞う。なかなか有効な戦術ですね。
しかし旋回砲があるのでガンスナやスナマスにとっても危険性の高い任務になりそうですねえ。

>No Nameさん
全方位に恐ろしい能力ですね。
いやあ、見れば見るほど凄い・・・。
これを生かして勝つ戦いも一度くらいは見たかったですね。
ディバイソンとの死闘を見たかったなぁ。
(アニメ/0だと一方的に撃破するシーンがありましたが…)

>muutiimarsan
うぉー、うらやましいぞう!
うちは一機しか居ないんです。当時もっと買っておけばよかった。
通常顔と指揮官顔の二個は並べたい。
贅沢言うと3形態+AGで4つ並べたい!

>ヒューイさん
ニクシー防衛戦では「エレファンダーだからこそ」あそこまでできたんでしょうね。
コングはミサイルを撃ち尽くせば終わり。
レッドホーンはそもそも能力不足。
ジェノブレイカーは戦い方が格闘偏向で対大部隊用には向かない。
同じくらいの時間を稼げるゾイドが居たとすれば、それこそデスザウラーかマッドサンダーくらいしか居ないんじゃないかと思います。
凄いぜエレファンダー!
そんな凄いシーン、そして勝つシーンを見たかった。

>No Nameさん
帝国本土の戦いではもっと目立って欲しかったですね。
閃光師団相手でも充分に戦える仕様だったと思うのですが。
残念です。
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