最強合体ゾイドの実力5

ちょっと前にケンタウロスの話題を書きましたが、コメ欄を見て更に思う事があったので追記します。

その3で、ケンタウロスは「デスザウラーを倒したという象徴が欲しかった」と推測しました。
共和国軍の士気を圧倒的に下げている悪魔のゾイド、デスザウラー。
これを正面から鮮やかに倒した事実が欲しい。
そんな思惑が見えます。

バトルストーリー3巻には、デスザウラー鹵獲作戦失敗のエピソードがあります。
単独行動中のデスザウラーを狙って作戦開始。
サラマンダーがデスザウラーを攻撃、注意を引き付ける。
その隙にウルトラザウルスが背中のファンを撃ち抜くという作戦。
しかしこれは失敗し、共和国軍全体に「サラマンダーとウルトラザウルスが協力しても倒せない……」という絶望を蔓延させた。

共和国軍は、この後は「中央大陸への進出、その攻略」を方針として取ります。
デスザウラーとの正面対決を避ける方針。これはきわめて優れた戦略でしたが、共和国軍にとってはやっぱり「デスザウラーには絶対勝てないからこんな作戦をしてるんだ…」という思いをいっそう強くするものでもあったでしょう。

さて、対デスザウラー用ゾイドといえばディバイソンです。
「全力で突撃すればデスザウラーの装甲を破れる可能性がある」という淡いゾイド。

さてディバイソン乗りに任命されたパイロット。
「デスザウラーには絶対勝てない」という空気が蔓延する状況だったら、やっぱり喜ぶ者は少なかったと思う。
これがマッドサンダーみたいな完璧に防ぐ・貫く設計ならともかく、ディバイソンは淡い期待を寄せる程度の能力なので……。

ディバイソンがデスザウラーを撃退するには、もう本当に全力での突撃をかまさないと無理。
それは覚悟を決めて迷いなく突撃する事が必要。
なので、新鋭機……対デスザウラー用だがその能力は淡い期待を寄せる程度……しかしこれでどうにか挑まねばならない状況である……。これの就役前において、デスザウラーを倒した事実・象徴はやはりどうしても欲しかったのでしょう。
そうしてケンタウロスの開発が認可された……。

実際にケンタウロスはデスザウラーと戦う事はなかった。
ただ倒しはしなかったが、一応「改造デスザウラーと相打ちになった」という事は期待通りの効果を出したのかな。
デスドッグの詳細は伝わらなかったでしょう。ただ「改造デスザウラー」というといかにも強化されてより強くなったタイプを連想させる。
それと相打ちに持ち込んだというのは共和国兵を勇気付けたのかも。

あと、これはゾイドマンモスのコラムで書いたことですが、ディバイソン乗りの多くはゾイドマンモスからの機種転換であると思います。
ゾイドマンモス乗りの間では「俺達がデスザウラーを撃退したんだぜ」という武勇伝が勇ましく伝わっていたでしょう。
無論それは「極寒地において改造タイプが数で猛攻した」というものですが、それでも自分たちの誇りとして強くあったでしょう。
これに加えて「改造デスザウラーと単機で相打ちに持ち込むゾイドが出た」「我々が次に乗るのは極寒地でなくとも痛撃を与え得る新鋭機である」という要素が加わり、大きく士気向上をしたのだと思いました。


あと、ケンタウロスについて翼があって限定的とはいえ飛べる事が有効と書きました。
これはウルトラザウルスと比べると雲泥の差で、この巨体で山岳でも動けることは驚異的。

ケンタウロスが建造されたのはちょうど共和国軍が中央山脈攻略を進めていた時期です。
ここにも秘密があると思いました。

当時の山岳における両軍戦力を見ると共和国軍優位です。
山岳での中心メカは帝国軍がサーベルタイガー、ヘルキャット。共和国軍はシールドライガー、コマンドウルフ。これは共和国軍かなりの優位。
サーベルとシールドはシールドやや優位くらいですが、ヘルキャットとコマンドウルフの差は大きい。数の上では主力の高速ゾイドがこの差では。

山岳で高速ゾイドを除けば主力として扱われたのは24ゾイド。これも共和国軍優位。やはり後発なのでメガトプロスはデスピオンを上回る。

ゴルヘックスの登場で電子戦でも遅れをとらない。山岳という事を考えればディメトロどんより小型のゴルヘックスが動きやすいでしょう。

更にバトスト3巻の記述によると「帝国軍が、サーベル、ハンマーロック、ヘルキャット、イグアンの4種類しか山岳戦用ゾイドを持たぬのに対して、共和国軍はシールド、べア、ウルフ、ゴドス、カノン、ゴルヘックス、スネークス、ガイサックと9種類ものゾイドを戦線に投入した」とあります。
……山岳でのベアファイターは強そうだなぁ。
帝国軍はハンマーロックが強力機ですが、ベアファイターなら完勝できる。
ブラックライモスが山岳戦に対応していれば…と悔やまれます。
共和国軍は新鋭Hiユニット級で山岳に適したゾイドを続々作っている。この少し後に完成するアロザウラーももちろん山岳戦対応。
対して帝国軍は古いゾイドばかりで戦っている。この辺りが帝国軍の開発限界なんだろうなぁ……。
国力の低い帝国軍は、電撃戦で共和国首都を攻略。それで戦勝するつもりだったのでしょう。その後も戦いが伸びまさか山岳でこのような戦いをするなど想定外だったと思う。

唯一つだけ帝国軍に脅威のゾイドが存在するとすればアイアンコングでしょう。
バトストには「帝国軍が、サーベル、ハンマーロック、ヘルキャット、イグアンの4種類しか山岳戦用ゾイドを持たぬのに対して」と書いてありますが、これは主力戦力でしょう。その他にも多くのゾイドが参加したはずです。
さてアイアンコングは山岳でも良い動きができる。主力と呼べるほどではないが、ある程度の数が山岳戦にも投入されたと想像します。
そして脅威になったでしょう。
シールドライガーならどうにか勝てるかもしれない…が、サーベルタイガーと連携されたりしたら極めてマズい。

ゴジュラスやウルトラザウルスではどうしようもない。
険しい地帯で足をとられロクに動けないまま殴り倒されるだけ…。

こういう状況で、「山岳で確実にアイアンコングを排除できるゾイドが欲しい」という要望が上がったでしょう。
・アイアンコングを確実に排除できる攻撃力を持ち、
・アイアンコングの攻撃にある程度耐える耐久力を持ち、
・山岳地帯でも戦える軽快さを持ち、
・広大な中央山脈を迅速に移動し現場にすぐに駆けつけられる移動力を持つ

まさにケンタウロスです。
中央山脈のアイアンコングを排除するという目的なら量産する必要もない。
ケンタウロスの建造意義はそんな事情なのかもしれない……。

実際、初陣はアイアンコング部隊を倒すという内容でした。
デスドッグさえ居なければ、そのような運用がその後も続いていたかもしれない。
共和国軍は史実よりも優位に山岳戦をすすめ、グレートサーベル登場前の段階で山岳を完全攻略してしまっていたかも……。
こう考えると、デスドッグはフランツが大統領殺害という目標で作った狂気のゾイドです。ですが期せずして帝国軍の危機を消し去ったという事も言える。


ケンタウロスの建造最大の意義は山岳戦におけるアイアンコング排除。中央山脈制覇というこの時期の共和国軍の最大目標を達成するためのゾイドであった。
ただ、もちろん同時にデスザウラーとの交戦も視野に入っている。単機のデスザウラーに理想的な状態で戦いを挑める機会があれば交戦する。不意打ちから猛攻して押し切れば勝利できる可能性は高い。そうすれば全軍からデスザウラーの恐怖を払拭し士気を大きく上げる事が出来る。

ケンタウロスは、そんなゾイドなのかなぁと思いました。
と言う事で追記でした。
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

北の湖=アイアンコング=負ける映像が多い なのだろうか?

自国領土内(その多くが山岳地帯)を飛んでいるだけばらば、レドラーの驚異も少ないのでケンタウロスが安心してアイアンコングの駆除に駆けつけていたんだと思われます。

デスドッグはゼネバス皇帝無視で造られ出撃したのだろうから、皇帝も気分が良くなかったと思いますが、戦略的に運用すればゼネバスは勝利できたんじゃないだろうか?こうやって戦いが長引いてしまったのかと思います。(ゼネバス後期のゾイド大好きなので嬉しいですが)

No title

なるほど。ケンタウロスはそれなりの使命を負って建造されたんですね。
そう考えると、強力な新型機に任命されたけど多分死ぬかも…なディバイソンパイロットの心境たるやさぞ複雑だったでしょうね。

No title

いやいや、面白いですね。
改めてケンタウロスの産まれた理由って何なんだろうなって思えます。

ケンタウロス、私はデスを倒した実績が欲しかったって言う仮説が一番好きでした。

そもそも、デス以前の最強ゾイドのウルトラって、最強だけど無敵では無かったんですよね。バトスト1巻の最後で帝国の前線基地を砲撃する時も、「次々と脱落」して行ってる訳ですし。
エコーの時にサラマンダーのミサイル(当時の共和国最強の射撃攻撃と言う扱いでした)では止める事は出来なかったけど、どうやらコングの大型ミサイル等の、帝国の所有する武器でも「脱落」するレベルのダメージを与えられているんですよね。

「ウルトラは強いけど無敵じゃない」から、首都を捨てて再起を狙う判断が出来たとも言えると思います。

一方のデスはほぼ無敵。恐らくはアタックゾイドがパーツ(データ)を持ち帰った時点で「こりゃ100%勝てないな」と判断して、首都にトンネルを掘り始める程に圧倒的。ゴジュラスを基地ごと全滅させた上に、ウルトラとのタイマンで勝利した力と、逃亡生活中に追い打ちで見せつけられた荷電粒子砲の絶望的な破壊力。

「絶対に倒せない」状況のまま、追いつかれそうになる度に、一緒に逃亡生活をしていた見知った兵士が「足止め」の為に死にに行く・・・兵士の士気を上げるだけに留まらず、逃亡中の国民に生き続ける為の希望を持たせる為に・・・何が何でも、デスザウラーを倒したって実績が必要だったと思うんです。降伏と言う言葉の無い惑星の人達ですから、尚更。

だから、デスを倒した実績と、たった1機だけでも良いから共和国の象徴と呼べる機体が欲しかったんだと思えてなりません。
そして、そんな状況の中で作られたのがケンタウロス。

結果は、「改造されて強化されたデスザウラーさえ倒した」と言う実績と、その「勝利」があって大統領が結婚した=共和国が幸福を勝ち取る日は近い・・・と、全国民と兵士に伝わったのではないかなと思えるんです。

こう考えると、ケンタウロスは目的以上の成果をきっちりと上げた、「共和国最強ゾイド」だと思えます。

後、「凄い力でヤリ的な物で突き刺して倒す」発想だけは、マッドに受け継がれたのかな・・・なんて思ったりしてますw

No title

将軍達の作戦も、それまでの教訓を反映してかゴジュラスを省いていたりとかで全然ダメって話では無かった気もします。
慣れない環境なので詰が甘くなってしまったのかな。。。
又はウルトラが歩くことになる地形をよく調べる前にデスザウラーが網にかかってしまったとか。

ケンタウロスはあまりにも自然に頭部と胴体にゴジュラスが使われていますが、士気の回復のためにはそれも良かったのかもしれませんね。
全滅させられたとはいえやはり象徴だし、末端の兵士にも凄く解り易い。
マンモスの騎士でなくて本当に良かった、、、(笑)

No title

実に面白い考察です。バトストの色々なシーンが綺麗に組み合わさって、すごく整合された説ができましたね。

考察の内容とは少しズレた話になってしまうのですが、帝国側の山岳対応ゾイドが四種、というのは帝国派としては当時納得しかねてました。まさにあの記述がされた回にライモスとツインホーンが山岳戦に投入されてたし…。改めて見るとカノントータスさえ名前が挙げられてるんですね。これはもうゾイドの性能というよりも軍制からくる運用能力の差とかを感じてしまいます。輜重のノウハウ量が決定的に違うとか。
戦間期に共和国は中央山脈をかなり精査して既にヘリックルートの下地になるくらいの情報蓄積が最初からあった、とかもあり得るかな。
この辺は共和国のかっこよさかなーと今にして感じます。

とにかく面白いご考察でした!

No title

>kageさん
確かに自軍の制空権ないなら安心して運用できますね。
ただレドラーが突発的に侵入してくる可能性もあるので、けっこうヒヤヒヤする感じもしますね。

デスドッグもおいおい考えていきたいです!

>No Nameさん
建造意義が分かるとまた魅力が増しますね!
一連のケンタウロス記事でよい妄想ができました。

>ミドリさん
色んな要素が詰まってのケンタウロスだったんでしょうね。

ウルトラは無敵ではありませんでしたね。
極めて強い確信的ゾイドだが不器用さも多い。
山を越えられないから海を渡ったし、仰るようにアイアンコングのミサイルで1基を除いて落伍してるから防御も完璧ではないですね。
(もっともあのミサイルを受けて無事というのがおかしいんですが・・・)

デスザウラーはホントに無敵でしたね。
キャノン砲は効かないしゴジュラスが格闘戦で相手にならないし。
デスザウラーは実際の強さ以上に共和国全体の士気を下げ絶望をもたらした効果がある気がしますね。
それをなんとしても払拭したかったんでしょうねぇ。

ヤリはマグネーザーではなくサンダーホーンに受け継がれてる可能性は高いと思います。
あれ、実は射出可能な描写があったりします。デスザウラーの腹に刺してました(特効ゾイド少年隊ですが・・・)

>場末の葦さん
ゴジュラス復権の為に というのはあったかもしれませんね。
地味ながらゴジュラス部分って腕が特製のものになったり超強化されています。
腹にもなにやら装甲(?)のようなものが付いてパワーアップした感じがします。
その部分からも気合が伝わってきますね。

>マーネイスさん
帝国にも使えそうなゾイドは多いんですけどねー。
特にモルガは古いゾイドではありますがこの時代でも十分な戦力になりそう。穴掘れるし。
この辺は共和国側の著書である事も一員かなと思います。
ただ投入された記載のない機種の数が少なかったのも事実なんでしょうね。

全体を俯瞰で見ると共和国軍はほんとに戦略が凄いなと思いますね。
こういう部分で戦えるのはホントにカッコいい!
プロフィール

三式

Author:三式
>HP(本家)はこちら
>掲示板

コメントはお気軽に!
コメントは
 @初めましての方も大歓迎
 @関係ない話題でもOK
 @但し宣伝のみ等はNG
 @名乗って頂けると嬉しい
という感じでお願いします。

リンク
カレンダー
08 | 2020/09 | 10
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
新着記事
最新コメント