ABSへの塗装
お問い合わせを頂きましたのでその件で。
(幾つか頂いているのですが順番にお答えしますのでお待ちの方は申し訳ありません、、、)
----------
私が大好きなラプトリアを塗装していたらアーマーのパーツが割れてしまいました。使っていた塗料はミスターカラーのブルーエンジェルスカラーです。原因を知ってたら教えていただいたら幸いです。
----------
とのことで、、、残念でしたね、、、、。
お悔やみ申し上げます。
原因についての心当たりですが、これはゾイドの材質がプラスチックの中でも「ABS」という種類だから起こったと思われます。
プラモデルの材質はプラスチックですが、プラスチックの中にも「PS」とか「ABS」があります。
ゾイドはABSです。
PSは艦船とか戦車とか飛行機とかの、いわゆる昔ながらのプラモデルに使われている材質です。
PSは基本的にどの塗料で塗っても大丈夫です。
対してABSは塗装に弱くて、塗装すると内部に細かなヒビが入って最悪は割れてしまいます。
じゃあなぜABSを使うのかですが、
1:発色が良い
2:強度が高いので可動部に使いやすい(ABSは柔軟性も高いので凹凸スナップフィットに特に適している。PSは開いたら開きっぱなしなので遊んでいるうちに穴が広がってガバガバになりやすい)
とかの理由ですね。
その代償として塗装に弱い……。
でもABSも塗装できなくはありません。
塗料には「ラッカー」「アクリル」「エナメル」があります。このうちラッカーはあまりメジャーでないので割愛します。
クレオス社のMr.カラーだと「ラッカー」だと思います(瓶の記載をご確認くださいませ)。
ラッカー系塗料はABSを最も強く侵します。
どうしても使うなら「塗膜は薄く、さっと」で。また塗装後はパーツが脆くなっているので極力いじらないようにした方が良いでしょう。
(ラプトールを塗装したとすると、塗った時点では無事でも、ワイルドブラストの動きを繰り返すと破損したりする)
コトブキヤから「ABSパーツに塗装したい!」というページもありました。参考に。
ただ総合して言うと、可動や駆動を重視する場合は、ゾイドには推奨はしにくい塗料と思います。
クレオス社からは他に「水性ホビーカラー」というのが出ています。
これは水性アクリル塗料です。筆が水洗いできます。
ゾイドでは公式にこれを推奨しています。
アクリルもABSを侵しますが、その効果はラッカーに比べればはるかに弱いです。
私は2000年に「べったり」塗装したグスタフを作りました。
これの塗装を2017年になってから剥がしたんですが、プラの強度は全く落ちていませんでした。
参考
そのことから基本的に「水性アクリル塗料は安全」と判断しています。
ただしゾイドのABSにも種類がたくさんあります。
やたら柔らかいパーツや固いパーツ(セイスモの赤など)もあります。
すべてにおいて安全かどうかは言い切れませんのでご注意を…。
私の主観ですが、セイスモ系の赤パーツと光沢系のパーツは割れやすいと思います。
また水性アクリル塗料はラッカー塗料に比べると発色がやや悪く塗膜も厚くなりがちです。
ですが、それでも可動や稼動の多いゾイドには最適だと思います。
参考になれば幸いです。
余談ですが、ガンプラも間接部などはABSです。こちらも塗装による割れの問題が各所で起こっているようです。
バンダイもこの問題を認識しており、近年「KPS」という次世代プラを開発しています。
これは「ABSの長所を引き継ぎつつ塗装も可能」という夢のような材質で(つでに環境にも配慮されているらしい)、ガンプラではオルフェンズから順次採用されています。
ただし現在のところ「妙に柔らかい」という弱点もあり、まだまだ改良が望まれています。
いずれはKPSが弱点を克服して模型のスタンダードになるかも……。
そうなると良いですねぇ。
そうなるまでは……、あれこれ悩みつつ仕上げていきたいですね。
答えになっていれば幸いです。
(幾つか頂いているのですが順番にお答えしますのでお待ちの方は申し訳ありません、、、)
----------
私が大好きなラプトリアを塗装していたらアーマーのパーツが割れてしまいました。使っていた塗料はミスターカラーのブルーエンジェルスカラーです。原因を知ってたら教えていただいたら幸いです。
----------
とのことで、、、残念でしたね、、、、。
お悔やみ申し上げます。
原因についての心当たりですが、これはゾイドの材質がプラスチックの中でも「ABS」という種類だから起こったと思われます。
プラモデルの材質はプラスチックですが、プラスチックの中にも「PS」とか「ABS」があります。
ゾイドはABSです。
PSは艦船とか戦車とか飛行機とかの、いわゆる昔ながらのプラモデルに使われている材質です。
PSは基本的にどの塗料で塗っても大丈夫です。
対してABSは塗装に弱くて、塗装すると内部に細かなヒビが入って最悪は割れてしまいます。
じゃあなぜABSを使うのかですが、
1:発色が良い
2:強度が高いので可動部に使いやすい(ABSは柔軟性も高いので凹凸スナップフィットに特に適している。PSは開いたら開きっぱなしなので遊んでいるうちに穴が広がってガバガバになりやすい)
とかの理由ですね。
その代償として塗装に弱い……。
でもABSも塗装できなくはありません。
塗料には「ラッカー」「アクリル」「エナメル」があります。このうちラッカーはあまりメジャーでないので割愛します。
クレオス社のMr.カラーだと「ラッカー」だと思います(瓶の記載をご確認くださいませ)。
ラッカー系塗料はABSを最も強く侵します。
どうしても使うなら「塗膜は薄く、さっと」で。また塗装後はパーツが脆くなっているので極力いじらないようにした方が良いでしょう。
(ラプトールを塗装したとすると、塗った時点では無事でも、ワイルドブラストの動きを繰り返すと破損したりする)
コトブキヤから「ABSパーツに塗装したい!」というページもありました。参考に。
ただ総合して言うと、可動や駆動を重視する場合は、ゾイドには推奨はしにくい塗料と思います。
クレオス社からは他に「水性ホビーカラー」というのが出ています。
これは水性アクリル塗料です。筆が水洗いできます。
ゾイドでは公式にこれを推奨しています。
アクリルもABSを侵しますが、その効果はラッカーに比べればはるかに弱いです。
私は2000年に「べったり」塗装したグスタフを作りました。
これの塗装を2017年になってから剥がしたんですが、プラの強度は全く落ちていませんでした。
参考
そのことから基本的に「水性アクリル塗料は安全」と判断しています。
ただしゾイドのABSにも種類がたくさんあります。
やたら柔らかいパーツや固いパーツ(セイスモの赤など)もあります。
すべてにおいて安全かどうかは言い切れませんのでご注意を…。
私の主観ですが、セイスモ系の赤パーツと光沢系のパーツは割れやすいと思います。
また水性アクリル塗料はラッカー塗料に比べると発色がやや悪く塗膜も厚くなりがちです。
ですが、それでも可動や稼動の多いゾイドには最適だと思います。
参考になれば幸いです。
余談ですが、ガンプラも間接部などはABSです。こちらも塗装による割れの問題が各所で起こっているようです。
バンダイもこの問題を認識しており、近年「KPS」という次世代プラを開発しています。
これは「ABSの長所を引き継ぎつつ塗装も可能」という夢のような材質で(つでに環境にも配慮されているらしい)、ガンプラではオルフェンズから順次採用されています。
ただし現在のところ「妙に柔らかい」という弱点もあり、まだまだ改良が望まれています。
いずれはKPSが弱点を克服して模型のスタンダードになるかも……。
そうなると良いですねぇ。
そうなるまでは……、あれこれ悩みつつ仕上げていきたいですね。
答えになっていれば幸いです。
スポンサーサイト